低血糖の初期症状として発汗、振戦、動悸が有名です。
では夜間睡眠中に低血糖が生じた時の自覚症状は何でしょう?
朝起きた時の頭痛や悪夢を見ることもあるんです。
そのような自覚症状があったら低血糖を疑いたいです。
夜間の低血糖を疑ったらリアルタイムCGMが有用です。
リアルタイムCGMについてはこちら↓
https://doctor-matsuri.com/?p=906
インスリンを使っていて、低血糖のリスクがある方でも車を運転することは許されます。
ただし、か・な・ら・ず!血糖測定を行いましょう!
そして少しでも低血糖症状を感じたら路肩に止めてブドウ糖摂取を指導してください。
b e
- 低血糖症状を起こした場合、ブドウ糖がなければ甘い飲料(100%フルーツJがお薦め)(200ml)の摂取が基本。例えばオレンジジュース200mlで吸収されうる糖類が15gほど入っている。
- だけでという言い方に悪意があるが、高齢になると交感神経症状が現れにくく、中枢神経や精神症状が現れ、認知症と間違われることがあるなど、高齢ということが低血糖のリスクであり注意が必要である。自覚症状が特になくても常に疑い、定期的な血糖測定は必要である。低血糖のリスクとして①70歳以上②CKDステージ3≦(eGFR<60)③SU薬内服中がある
- 症候性を繰り返すと無症候性になりやすく、無症候性は重症につながるリスクが高い。よって長い目でみても低血糖はできるだけ起こさない方がよく、頻繁に起こしている場合は症状が感じられにくくなってることに注意する。また、低血糖のない状態を3週間維持すると、低血糖に対するアドレナリン反応が改善し、自律神経症状も回復するとされている。
- 重症低血糖に影響した要因は、食事の内容・タイミングの不適合が最も多く、低血糖全体の40%である。インスリンを打ったにも関わらず食事を摂取しないことが最も多い。インスリン投与後に電話がかかってきてふと食事から離れてしまった場合でも、思い出した時にすぐに何かを口にするように指導が必要である。
- 無自覚低血糖を含む低血糖によって車の運転に支障をきたす可能性がある者が、連転免許証の取得や更新時に虚申告をした場合の罰則規定がある。
また、免許獲得の有無に関しては、以下のように医師が診断した場合には、運転免許を取得できる。
インスリンを含む薬物治療により低血糖になる可能性がある場合でも、
「安全な運転に支障を及ぼす意識消失などの症状の前徴を自覚できている」
もしくは
「連転中の意識消失などを防止するための措置を実行できているので、運転を控えるべきとはいえない」
低血糖
・血糖値が70mg/dL未満の場合,低血糖と診断し対応する。
対応
- 低血糖の際は、速やかにブドウ糖を中心とした糖質の経口摂取、ブドウ糖の静脈内投与、またはグルカゴンの筋注を行う。
- ブドウ糖がなければ甘い飲料(100%フルーツJがお薦め)(200ml)の摂取が基本。
- 15分後、低血糖がなお持続するようなら、再度同一量を飲ませる。
糖質の投与量
- 経口摂取(ブドウ糖として5~10g)
- 静脈内投与(ブドウ糖として 10~20g)(小児では200-300mg/kg)
リスク
- 70歳以上
- CKDステージ3≦(eGFR<60)の腎機能障害
- SU薬内服中
低血糖の症状
1 血糖値 55mg/dL:交感神経症状
- アドレナリン分泌により発汗、振戦、動悸、悪心,不安感、熱感、空腹感、頭痛などが出現。
- 中枢神経症状が出現する前の警告症状とされる。
2 血糖値 50mg/dL:中枢神経症状
- ブドウ糖の欠乏症状および精神症状が現れる。
- ブドウ糖欠乏症状:眠気、脱力、めまい。、疲労感、集中力低下、霧視、見当識低下。
- 精神症状:不安感、抑うつ、攻撃的変化、不機嫌、周囲との不調和。
3 血糖値 30mg/dL:大脳機能低下
- 大脳機能低下が進行し、痙攣、意識消失、一過性片麻、昏睡といった重篤な症状が出現し、放置すると死にいたる。
- 小児では、てんかん発作をきたすことがある。
夜間睡眠中の低血糖
- 交感神経症状が現れにくく、起床時の頭痛や悪夢で疑う。
- CGM(contin-uous glucose monitoring)は、特に深夜、早朝などの低血糖の把握のために有効。
高齢者
- 交感神経症状が現れにくく、中枢神経や精神症状が現れ、認知症と間違われることがある。
- ブドウ糖の欠乏症状および精神症状が現れる。
- ブドウ糖欠乏症状:眠気、脱力、めまい。、疲労感、集中力低下、霧視、見当識低下。
- 精神症状:不安感、抑うつ、攻撃的変化、不機嫌、周囲との不調和。
a-グルコシダーゼ阻害薬服用中の低血糖
- ブドウ糖を摂取させる。
- 経口摂取が不可能な場合はグルカゴン1V 筋注などの処置を行う。
- その後は速やかに医療機関に搬送する。
- 意識が回復すれば炭水化物を経口摂取する。
注意点
- 低血糖は反跳性高血糖を起こし、血糖の振れ幅を大きくする。
→血糖の振れ幅が大きいと動脈硬化を促進させる。
①症候性を繰り返すと無症候性になりやすい。
②無症候性は重症につながるリスクが高い。
- 通常は血糖値 55程度となると交感神経症状が表れるが、症候性を繰り返すと低血糖閾値が正常以下に低下する。
- 重症低血糖に影響した要因は、食事の内容・タイミングの不適合が最も多く40%。
- 低血糖のない状態を3週間維持すると、低血糖に対するアドレナリン反応が改善し、自律神経症状も回復する。
問題のある低血糖
定義:
過去1年間に2回以上の低血糖があり
①重症低血糖②無自覚低血糖③極端な血糖不安定性④精神的問題のいずれかを1回以上伴う。
対応:4段階で行う。
①低血糖教育
②血糖自己測定を伴う持続インスリン皮下注療法またはリアルタイムCGMを伴う強化インスリン療法
③sensor-augmented pump(SAP)の使用
④膵島・膵臓移植
リアルタイムCGMについてはこちら↓
https://doctor-matsuri.com/?p=906
- リアルタイムCGMとインスリンポンプを組み合わせて使う方法。
- インスリンポンプは体にインスリンの機械を取り付けて、持続的にインスリンを注入するデバイス。
- リアルタイムCGMで血糖値の上昇を感知したらインスリンポンプの注入量を増やす。
- リアルタイムCGMで血糖値の低下を感知したらインスリンポンプの注入量を減らす。
低血糖と運転
インスリンを含む薬物治療により低血糖になる可能性がある場合でも、
「安全な運転に支障を及ぼす意識消失などの症状の前徴を自覚できている」
もしくは
「連転中の意識消失などを防止するための措置を実行できているので、運転を控えるべきとはいえない」
と医師が診断した場合には、運転免許を取得できる。
- 運転時に低血糖の気配を感じたときは、ハザードランプを点滅させ、路肩に寄せて停止し、ブドウ糖を含む食品を速やかに摂取する。
- 無自覚低血糖を含む低血糖によって車の運転に支障をきたす可能性がある者が、連転免許証の取得や更新時に虚申告をした場合の罰則規定が新設された。
- 近距離の移動であっても、運転前に血糖測定を行うように指導すべき。
- 特に低血糖のリスクがある場合や、問題のある低血糖の既往がある場合は運転前の血糖測定は必須である。
- 低血糖を起こしやすい人はブドウ糖を多く含む食品を車内に常備する。
- 空腹時の運転を避ける。
- 何かを食べてから運転する。
- 危険な場所での作業、機器操作などにおいても注意が必要。
- 70歳以上
- CKDステージ3≦の腎機能障害
- SU薬内服中
過去1年間に2回以上の低血糖があり
①重症低血糖②無自覚低血糖③極端な血糖不安定性④精神的問題のいずれかを1回以上伴う。
問題
b e
- 低血糖症状を起こした場合、ブドウ糖がなければ甘い飲料(100%フルーツJがお薦め)(200ml)の摂取が基本。例えばオレンジジュース200mlで吸収されうる糖類が15gほど入っている。
- だけでという言い方に悪意があるが、高齢になると交感神経症状が現れにくく、中枢神経や精神症状が現れ、認知症と間違われることがあるなど、高齢ということが低血糖のリスクであり注意が必要である。自覚症状が特になくても常に疑い、定期的な血糖測定は必要である。低血糖のリスクとして①70歳以上②CKDステージ3≦(eGFR<60)③SU薬内服中がある
- 症候性を繰り返すと無症候性になりやすく、無症候性は重症につながるリスクが高い。よって長い目でみても低血糖はできるだけ起こさない方がよく、頻繁に起こしている場合は症状が感じられにくくなってることに注意する。また、低血糖のない状態を3週間維持すると、低血糖に対するアドレナリン反応が改善し、自律神経症状も回復するとされている。
- 重症低血糖に影響した要因は、食事の内容・タイミングの不適合が最も多く、低血糖全体の40%である。インスリンを打ったにも関わらず食事を摂取しないことが最も多い。インスリン投与後に電話がかかってきてふと食事から離れてしまった場合でも、思い出した時にすぐに何かを口にするように指導が必要である。
- 無自覚低血糖を含む低血糖によって車の運転に支障をきたす可能性がある者が、連転免許証の取得や更新時に虚申告をした場合の罰則規定がある。
また、免許獲得の有無に関しては、以下のように医師が診断した場合には、運転免許を取得できる。
インスリンを含む薬物治療により低血糖になる可能性がある場合でも、
「安全な運転に支障を及ぼす意識消失などの症状の前徴を自覚できている」
もしくは
「連転中の意識消失などを防止するための措置を実行できているので、運転を控えるべきとはいえない」