認知症と診断したら治療を開始しましょう!
認知機能以外の興奮などには抑肝散などの漢方が効果的!
物忘れの鑑別のための検査について考え、
認知症の中核症状と周辺症状についても簡単に復習です。
認知症の方との上手な付き合い方も大事!
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- ◯専門医レベルでなければChE阻害薬の中で大きな差はない。診断したなら治療を始めるが、嘔気や下痢には注意。詳細はChE阻害薬の各論を参考に!
- ◯興奮などの周辺症状には抑肝散やバルプロ酸を使用する。
- ◯頭部CTを行うことで、これらの症状で想定される正常圧水頭症を除外できる。
- ✕ 長谷川式などのスクリーニング検査は定期的に行うことで進行の度合いを知ることができる。質問の内容によっては1点減点でも注意。
- ◯認知症の患者は内容は覚えていないが、怒られた嫌な感情は心に残る。患者と接する家族側の対応が必要!
治療の流れ
- 診断したらChE阻害薬の中で何でもいいから治療を始める。
- 中等度の障害からメマンチンを検討する。
- MMSE(認知機能評価尺度)22点以下、CD-R(認知症の重症度評価尺度)で0.5-1.0(軽度認知症)でレケンビを検討する。
- 興奮などの周辺症状が目立つ場合、抑肝散を検討する。
ChE阻害薬:ドネペジル(アリセプト)、ガランタミン(レミニール)、リバスチグミン(リバスタッチ)
鑑別
- 慢性甲状腺炎
- VB1欠乏症
- 梅毒
- 正常圧水頭症
- 1w、月レベルの急性の進行であれば脳腫瘍や慢性硬膜下血腫を疑う。
- 日単位であればせん妄を疑う。
検査
- 認知症、歩行障害、失禁の2つ以上で画像検査を実施。
- 認知症疑いのみで画像検査をするのは専門家でよい。
- 長谷川式などのスクリーニング検査は定期的に行うことで進行の度合いを知ることができる。
- 長谷川式は質問の内容によっては1点減点でも注意。
症状
中核症状
- 認知機能の低下
周辺症状
- 興奮・不安・抑うつ・徘徊
・認知症の興奮には抑肝散やバルプロ酸を試す。
認知症の対応
◯同じ質問や話を繰り返されることで家族ともめることがある。
- 紙に書く。
- 怒った口調にならないこと。
怒られた内容は忘れても、嫌な感情になったという負の気持ちは蓄積されてしまう。
漢方
◯陽性症状(興奮・妄想・幻覚)に対しての処方
- 抑肝散
- 7.5g毎食前で服用開始。14日で鎮静化したら→5g朝夕食前で維持。
- 開始1ヶ月でK値を測定する。
- 開始後の抑うつ状態に注意する。
抑肝散には甘草が1包(2.5g)で0.5g含まれる。
甘草6g/日の摂取で偽アルドステロン症の発症率は11%である。
甘草6g/日の摂取で偽アルドステロン症の発症率は11%である。
◯陽性症状+便秘
- 大黄甘草湯
◯陽性症状+易怒性
- 黄連解毒湯
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- ◯専門医レベルでなければChE阻害薬の中で大きな差はない。診断したなら治療を始めるが、嘔気や下痢には注意。詳細はChE阻害薬の各論を参考にする。1日1回の服用がよければドネペジル。液剤がよければガランタミン。貼り薬がよければリバスチグミンでいいだろう。
- ◯興奮などの周辺症状には抑肝散やバルプロ酸を使用する。
- ◯頭部CTを行うことで、これらの症状で想定される正常圧水頭症を除外できる。
- ✕ 長谷川式などのスクリーニング検査は定期的に行うことで進行の度合いを知ることができる。質問の内容によっては1点減点でも注意。
- ◯認知症の患者は内容は覚えていないが、怒られた嫌な感情は心に残る。患者と接する家族側が必要なことは紙に書くことや、怒らない口調を意識することで接する必要があることの十分な説明が必要である。