慢性咳嗽

【慢性咳嗽#1】リフヌア!咳か味覚か失うものを選べ!!

慢性咳嗽

咳って辛すぎて何をしてでも止めたい時ってありますよね。

リフヌアという慢性咳嗽に効く新しい作用機序の咳止めが出てきて、選択肢は広がりました。

ただ一つの問題は味覚の異常を感じることが多いこと。

味覚に異常を感じてでも咳を止めたい時は僕はあると思います!

異常を感じる味覚のレベルにもよりますね。

Quiz

リフヌアについて謝っているものはどれか。2つ選べ。

  1. デキストロメトルファン(メジコン)と作用機序が同じである。
  2. 副鼻腔炎や逆流性食道炎による咳嗽にも効果がある。
  3. 生じる味覚障害とは味を感じなくなるものである。
  4. 咳嗽は用量依存的に改善するが、味覚障害も用量依存的に増加する。
  5. 味覚障害は投与中止により改善する。

a c

  1. ✕‬リフヌアは咳嗽が関与する迷走神経を遮断することで抹消性に咳嗽を改善させる。デキストロメトルファンは中枢性に作用するため、両者を併用することも可能である。
  2. 原因疾患によらず働くため難治性・原因不明の慢性咳嗽(8wの咳嗽)に効果が期待される。もちろん原因疾患の治療が優先である。
  3. ✕‬主に苦味、金属味、塩味として感じられる。
  4. ◯効果があるが、味覚障害が耐えられない場合は1日1回投与に減量するのも一つの手である。
  5. 投与中止で回復する、投与中でも回復しうる。

慢性咳嗽

定義

  • 8週間以上続く咳嗽を慢性咳嗽と定義する。
<3Wは急性咳嗽、3-8Wは亜急性咳嗽

病態

  • 迷走神経など咳嗽に関与する知覚神経の過敏、中枢神経の関与が想定される。

治療

ゲーファピキサント(リフヌア)

  • 難治性の慢性咳嗽に適応がある。

プレガバリン(リリカ)・ガバペンチン(ガバペン)

  • 有効性を示唆する報告はあるもののエビデンスは限定的である。
  • 咳嗽の知覚過敏を抑える。
  • 画像初見で問題がなく、既存の鎮咳薬や吸入ステロイドで改善しない例に使用される。

ゲーファピキサント45mg(リフヌア)

薬理作用

  • P2X3受容体拮抗薬
  • P2X3受容体:気道にある迷走神経のC線維上に発現しているATP受容体
  • 気道の炎症でATPが過剰放出されると、P2X3受容体が刺激され咳嗽を生じる。
    →P2X3受容体の刺激に拮抗する。

咳嗽が関与する迷走神経の知覚を遮断することで難治性慢性咳嗽を改善させる

効果

  • 原因疾患によらず働くため難治性・原因不明の慢性咳嗽(8w≦の咳嗽)に効果が期待される。

副鼻腔炎やGERDによる咳嗽にも効果がある。

  • 効果判定は4w以降で設定されているが、もう少し早く症状改善を自覚するケースもある。
体感的には飲み始めた数日後には効果が現れている印象。

用法・用量

  • 1回1錠(45mg)を1日2回
  • 透析をしないeGFR≦30では1回45mgを1日1回投与とする。
重要な潜在的リスクに尿中の結晶性異物に起因する腎障害があり、定期的に腎機能や尿検査を実施する。
  • 透析では十分なデータが存在しない。

特徴

  • 咳嗽は用量依存的に改善するが、味覚障害も同様に増加する
  • 末梢性の作用なのでデキストロメトルファンなどの中枢性に作用する薬剤と併用できる
ちょっと寄り道

デキストロメトルファン(メジコン)やチペピジン(アスベリン)のお話

  • 服薬後に甘味の強い飲料(蜂蜜やコーヒーでも良い)を飲むことでプラセボ効果を上乗せできることが実験で明らかになっている。
正直、ここからがすごく大事

副作用

味覚障害

  • 臨床試験で1日2回1200mg/日を投与したところ24人全員が味覚障害となった。
超過量投与!!
  • 本来の1日2回90mg/日では40%が味覚障害を生じた。
  • 投与中止で回復する、投与中でも回復した事例がある。
  • 味覚に関して投与中止に至った例は14%であった。
  • 主に苦味、金属味、塩味として感じられる。
  • 投与開始から9日以内に発現する。
  • 味覚障害が日常生活に支障をきたしたら代替薬を考える。
体感的には投与開始のすぐ後から味覚障害になる。むしろ90%くらいの人が多かれ少なかれ生じる印象なので、投薬前に必ず説明が必要!「乗り越えられれば気にならなくなることもありますよ」

その他の副作用

  • 5%以上に生じるものとして悪心、口内乾燥がある。
Quiz

リフヌアについて謝っているものはどれか。2つ選べ。

  1. デキストロメトルファン(メジコン)と作用機序が同じである。
  2. 副鼻腔炎や逆流性食道炎による咳嗽にも効果がある。
  3. 生じる味覚障害とは味を感じなくなるものである。
  4. 咳嗽は用量依存的に改善するが、味覚障害も用量依存的に増加する。
  5. 味覚障害は投与中止により改善する。

a c

  1. ✕‬リフヌアは咳嗽が関与する迷走神経を遮断することで抹消性に咳嗽を改善させる。デキストロメトルファンは中枢性に作用するため、両者を併用することも可能である。
  2. 原因疾患によらず働くため難治性・原因不明の慢性咳嗽(8wの咳嗽)に効果が期待される。もちろん原因疾患の治療が優先である。
  3. ✕‬主に苦味、金属味、塩味として感じられる。
  4. ◯効果があるが、味覚障害が耐えられない場合は1日1回投与に減量するのも一つの手である。
  5. 投与中止で回復する、投与中でも回復しうる。