セマグルチド(GLP-1作動薬)を有効成分とする薬は3種類発売されています。
週1投与である注射薬のオゼンピック!
初の経口投与可能になったGLP-1作動薬のリベルサス!
肥満症に適応を持つ注射薬のウゴービ!
経口投与が非常に便利で、処方が増えまくっているリベルサスと、糖尿病ではなく肥満症の視点から投与可能となったウゴービの最新のデータと特徴です!
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- ✕ 朝起きてすぐに、何も飲まず食べずで少量の水(120ml)で服用する。
- ✕服用後30分は飲食しない。
- ◯マンジャロに続き体重減少効果を期待できる。経口投与で良いので優秀。
- ✕ 効果の期待できる薬であり、7mgで効果があることも多く、その場合は無理に増量しなくてもよい。使用の詳細は本文の症例を参照。
- ◯ 初回のこの副作用で中断されるのがもったいないので、きちんとした説明と、必要なら制吐薬(ドンペリドンなど)の数日分の処方で回避する。
セマグルチド(リベルサス)
概要
- 特殊な蛋白分解酵素活性を抑制する吸収促進剤によって経口投与が可能になったGLP-1作動薬。
- 注射のオゼンピック(糖尿病)とウゴービ(肥満症)と同成分の経口薬。
用法
- 朝起きてすぐに、何も飲まず食べずで少量の水(120ml)で服用する。
- 服用後30分は飲食しない。
これらが守れないと蛋白分解酵素活性の抑制ができなくなり、体内に吸収されず効果がなくなる。
言い換えると、この飲み方をする代わりに注射をしなくて済むようになった。週1回の注射(オゼンピック)か面倒な飲み方のリベルサスか相談して一緒に決めると患者のアドヒアランスも向上する。
言い換えると、この飲み方をする代わりに注射をしなくて済むようになった。週1回の注射(オゼンピック)か面倒な飲み方のリベルサスか相談して一緒に決めると患者のアドヒアランスも向上する。
- この飲み方ができない場合は、効果が薄れるので注射のGLP-1作動薬を検討する。
用量
- 消化器症状を防ぐため、少量から開始して(3mg)、4w毎に増量していく(7mg)→(14mg)。
- 7mgで効果があることも多く、無理に増量しなくてもよい。
特徴
- HbA1cのみならず体重や肝機能も改善する。
- 体重減少効果は非常に大きい部類で、マンジャロに続く効果があるとされている。
非常に大きい:チルゼパチド(マンジャロ)>セマグルチド(オゼンピック、リベルサス(経口))>リラグルチド(ビクトーザ)
大きい:デュラグルチド(トルリシティ)
中程度:SGLT2阻害薬
変わりなし:DPP-4阻害薬、メトホルミン
副作用
消化器症状
- GLP-1作動薬としてのもので、悪心・嘔吐、便秘、下痢などがある。
- 服用を続けることで1-2ヶ月で収まることが多い。
- 初回のこの副作用で中断されるのがもったいないので、きちんとした説明と、必要なら制吐薬(ドンペリドンなど)の数日分の処方で回避する。
特定の背景を有する患者
- 肝不全や腎不全に使用できる。
- 透析にも慎重投与で使用できる。
症例
38歳女性。産後の糖尿病合併妊娠の症例
体重:100kg。HbA1c:8.0%、空腹時血糖値:250mg/dl。
- メトホルミン1000mg/日を服用し、血糖値は基準値になったが、HbA1cは改善しなかった。
- リベルサス3mgを追加し、その後7mgに増量したところHbA1cは6%台まで下がった。
- 血糖値やHbA1cが基準値なら今の服用量で経過観察としてもよいが、体重がまだ100kgあり、かつ脂肪肝による肝機能異常も残存していたため、リベルサスを14mgに増量した。
- HbA1cは5%台、体重は70kgまで減少し肝機能も改善した。
- メトホルミンは中止可能となり、リベルサスのみ継続している。
- このようにHbA1cの目標を達成しても体重や肝機能に問題がある場合、リベルサスを増量することで病態が改善し減薬につながるケースがある。
- 今回は14mgまで増量したが、3mgや7mgで効果が出る場合もある。
セマグルチド(ウゴービ)
適応
高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行なっても十分な効果が得られない場合、以下の条件で使用できる。
- BMI 35≦
- BMI 27≦で2つ以上の肥満に関連する健康被害を有する(高血圧、脂質異常症、2型糖尿病など)
- 肥満かつ、肥満によって悪化する疾患を合併していること。
- 肥満によって悪化する疾患とは高血圧、脂質異常症、2型糖尿病、痛風、狭心症、睡眠時無呼吸症候群などが挙げられる。
特徴
- 成分はセマグルチドで、糖尿病に適応のオゼンピック(注射)やリベルサス(経口)と同じ。
- 他のGLP-1作動薬と注意点は同じく、消化器症状に注意する。
- 1年間(68w)、2.4mgの投与で体重が13.2%減少した。
- 肥満症に対する外科的治療(胃の切除)とどちらが有効か議論されている程の効果がある。
用量
- DMで使う場合の最高用量(オゼンピック1.0mg)よりも高用量で使用できる(2.4mg)。
c d
- ✕ 朝起きてすぐに、何も飲まず食べずで少量の水(120ml)で服用する。
- ✕服用後30分は飲食しない。
- ◯マンジャロに続き体重減少効果を期待できる。経口投与で良いので優秀。
- ✕ 効果の期待できる薬であり、7mgで効果があることも多く、その場合は無理に増量しなくてもよい。使用の詳細は本文の症例を参照。
- ◯ 初回のこの副作用で中断されるのがもったいないので、きちんとした説明と、必要なら制吐薬(ドンペリドンなど)の数日分の処方で回避する。