骨粗鬆症

【骨粗鬆症#3】ビスホスホネート:使用効果に期限?使い方が見せ所!

骨粗鬆症

ビスホスホネート(BP)といえば、骨粗鬆症薬として真っ先に思い出される薬ですが、

起床時に服用して、30分横にならず食事せず食道潰瘍顎骨壊死があって、、、

何かと印象が強い薬だと思います。

30分ルールがある理由、副作用について、毎日・週1回・月1回でよい服用薬があるのでまとめます!

Quiz

ビスホスホネート(BP)について正しいものはどれか。

  • 30分は水以外の飲食をしないが、他の薬と併用することは可能である。
  • 水は軟水か硬水かで薬の効果が異なる。
  • 5年以上の服用では効果が落ちる。
  • 抜歯の際には例外なく休薬しなければならない。
  • 腎不全(eGFR≦30)には全てのBPで禁忌である。

ビタミンDが腎臓で活性化されなくなるため、Caの吸収が少なくなることで低Ca血症を引き起こしやすくなる。

c

  • ✕‬他の薬と併用はできない。薬の製剤として配合されているCaに吸着して吸収が阻害される可能性があるため。
  • ✕‬硬水にはCaが多く含まれているため、服用時には勧められない。Caに吸着して吸収が阻害される。
  • ◯BPは3-5年効果が落ちてくるとされるため、5年を目安に休薬を検討する。その際には必ず代替薬を使用する。
  • ✕‬休薬による骨折のリスクが上回る場合があるため、現在は画一的な休薬推奨されない。cの通り、目安として3年以上服用している場合は、効果の減少が考えられるため休薬を検討する。
  • ✕‬腎不全では薬の排泄の遅延と、腎不全の病態によって低Caを助長しうる。投与回避が推奨されるBPと、慎重投与とされるBP、禁忌となるBPがあるため、確認しよう!

ビスホスホネート(BP)

薬理作用

  • のハイドロキシアパタイトに親和性を持つ。
  • 破骨細胞に取り込まれ活性を抑制することで骨からのCa吸収を抑え、骨密度を高くする。
血中のCa濃度低下する副作用につながる。

用法

  • 起床時に服用し、30分横にならない
  • イバンドロン酸(ボンビバ)のみ60分
食道にくっつくと食道潰瘍を起こしうるため。
  • 十分な量(コップ1杯)ので服用する。
  • 30分は水以外の飲食をしない。他の薬も服用しない
Caとくっつきやすく、一緒に摂取されると吸着して体内に吸収されなくなるため。
硬水よくない

副作用

  • 食道潰瘍、胃潰瘍
  • 低Ca
腎不全(eGFR≦30)に投与回避とされる理由は低Caを助長させてしまうからである。
  • 顎骨壊死

顎骨壊死

  • 抜歯における骨吸収抑制薬(BPとデノスマブ)は休薬しないことを提案する
  • 休薬のために抜歯が延期されることによる歯性・顎骨感染の進行が懸念される。
  • 休薬が長期に及んだ場合明らかに骨粗鬆症性関連骨折のリスクが上昇する。
  • 抜歯において休薬利益を示唆するほどの結果は得られていない。←休薬するといいよ!とまでは言えない。
  • 効果としては5年間の服用が一つの目安となるため、3年以上投与されている患者においては休薬を検討する。

注意点

  • 骨密度改善効果が続くのは5年までとされる。
  • 5年非定型骨折が増える
BP服用者の0.05%に生じる。

大腿骨は典型的には骨頸部が骨折するが、非典型的である骨幹部を骨折する場合のこと。

  • 大腿骨幹部骨折など、大腿骨幹部が痛いと言っていたら注意
    →(疲労骨折してて)1w後に折れることもある。
破骨細胞が抑制されて骨代謝が悪くなるため。

使い方

  • 低Caとなるようであれば活性型VD製剤と併用する。
  • 5年使用後、2年休薬したらBPに戻してもいい
  • 休薬により骨粗鬆症としての骨折は増えるため、休薬期間も必ず他の薬(デノスマブ(プラリア)など)を使用する。
BP長期投与による非定型骨折よりも骨粗鬆症としての骨折の方が遥かに頻度が多い。
  • BPとテリパラチド(テリボン、フォルテオ)の併用効果はみられないため、テリパラチドを追加するならBPは中止する。

BPまとめ

  • 30分、横になれず食事ができないため飲み方が面倒であり、基本的に週1回か月1回の処方がいい。
用法(全て起床時)腎不全(eGFR≦30)
アレンドロン酸(ボナロン、フォサマック)毎日、週1(ゼリー剤あり)、月1(点滴)投与回避
リセドロン酸(ベネット、アクトネル)毎日、週1、月1投与回避
ミノドロン酸(ボノテオ、リカルボン)毎日、月1慎重投与
イバンドロン酸(ボンビバ)月1(錠・静注)慎重投与
ゾレドロン酸(リクラスト)年1注射禁忌(eGFR≦35)
アレンドロン酸(ボナロン、フォサマック)
  • 毎日、週1回、月1回(点滴)の用法あり。
  • 週1回にはゼリー剤があり、嚥下困難者の服用に適する。
  • 腎不全(eGFR≦30)には投与回避。
リセドロン酸(ベネット、アクトネル)
  • 毎日、週1回、月1回の用法あり。
  • 腎不全(eGFR≦30)には投与回避。
ミノドロン酸(ボノテオ、リカルボン)
  • 毎日、週1回、月1回の用法あり。
  • 腎不全(eGFR≦30)には慎重投与
イバンドロン酸(ボンビバ)
  • 月1回(錠・静注)の用法あり。
  • 腎不全(eGFR≦30)には慎重投与
ゾレドロン酸(リクラスト)
  • 年1回注射薬のみ。
  • eGFR≦35の腎不全に禁忌である。
  • BPを使っていて、消化器障害が生じた時に代替として使える。
  • ゾメタ点滴静注も同じゾレドロン酸の薬だが、悪性腫瘍による高Caに使用される。

Quiz

Quiz

ビスホスホネート(BP)について正しいものはどれか。

  • 30分は水以外の飲食をしないが、他の薬と併用することは可能である。
  • 水は軟水か硬水かで薬の効果が異なる。
  • 5年以上の服用では効果が落ちる。
  • 抜歯の際には例外なく休薬しなければならない。
  • 腎不全(eGFR≦30)には全てのBPで禁忌である。

ビタミンDが腎臓で活性化されなくなるため、Caの吸収が少なくなることで低Ca血症を引き起こしやすくなる。

c

  • ✕‬他の薬と併用はできない。薬の製剤として配合されているCaに吸着して吸収が阻害される可能性があるため。
  • ✕‬硬水にはCaが多く含まれているため、服用時には勧められない。Caに吸着して吸収が阻害される。
  • ◯BPは3-5年効果が落ちてくるとされるため、5年を目安に休薬を検討する。その際には必ず代替薬を使用する。
  • ✕‬休薬による骨折のリスクが上回る場合があるため、現在は画一的な休薬推奨されない。cの通り、目安として3年以上服用している場合は、効果の減少が考えられるため休薬を検討する。
  • ✕‬腎不全では薬の排泄の遅延と、腎不全の病態によって低Caを助長しうる。投与回避が推奨されるBPと、慎重投与とされるBP、禁忌となるBPがあるため、確認しよう!