糖尿病

【糖尿病#7】ピオグリタゾン:インスリン抵抗性改善!薬価の安さが使い所!

糖尿病

腎不全や心不全の予防にエビデンスを持った薬剤も出てきてる中で
ピオグリタゾン処方機会がグンと減ってきてます

薬価が安くて有名なメトホルミンよりも安く済むんです!
1日1回の服用でいいのも助かりますね!

メトホルミン500mg2錠2× 20.2円(500mg1錠10.1円)
ピオグリタゾン15mg1錠1× 12.7円(増量後の30mgで22.9円)

DPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬は1日80円〜300円程度にもなるので

患者さんの状況保険点数を抑えるためにはとても有用な場合があります。

ただし、心不全骨粗鬆症には要注意

Quiz

ピオグリタゾンについて誤っているものを2つ選べ。

  1. 肥満度が高いほど効果的である。

  2. 重篤な腎機能障害には禁忌である。
  3. むくみは若年者や男性に多い。

  4. 心不全患者への投与に適する。

  5. 骨折を増加させる。

c d

  1. ◯筋肉脂肪組織で糖の取り込みを促進させ、肥満に伴う骨格筋肝臓の異所性脂肪蓄積を改善させる。肥満度、もしくはインスリン抵抗性(空腹時の血中インスリン濃度)が高いほど効果的である。
  2. ◯ 重篤な肝・腎機能障害がある場合は投与禁忌。一般的に重篤な腎障害とはCCr<30重篤な肝機能障害とはChild-Pugh分類 10-15点(点数の付け方は注意点の項参照)。
  3. ‬副作用として多く報告されるむくみ高齢者や女性で多いため、少量から投薬開始が望ましい。
  4. ✕‬ 循環血漿量の増加により心機能を悪化させる可能性があり、心不全やその既往がある場合は禁忌
  5. 骨折の増加が認められており女性の方が起こしやすい。特に閉経後の高齢女性では使用の可否を慎重に検討する。

チアゾリジン系

ピオグリタゾン(アクトス)

作用機序

アディポネクチン分泌を促進して、インスリン抵抗性改善させる。

  • 脂肪細胞の分化を促して白色脂肪細胞における脂肪蓄積を促進させ、これにより、肥満に伴う骨格筋肝臓異所性脂肪蓄積を改善する。
筋肉脂肪組織糖の取り込みを促進する。
  • HDL-C上昇させ、TG低下させる。
  • 肥満度、もしくはインスリン抵抗性(空腹時の血中インスリン濃度)が高いほど効果的
  • 体液貯留作用と脂肪細胞の分化を促進する。

注意点

  • 重篤な肝・腎機能障害がある場合は投与禁忌
明記はされてないが、一般的に重篤な肝機能障害とはChild-Pugh分類 10-15点と考えてよい。
重篤な腎障害とはCCr<30。
1点2点3点
血清Alb値(g/dl)3.5<2.8-3.5<2.8
血清Bil値(mg/dl)<22-33<
PT(%)(プロトロンビン活性値)70<40-70<40
腹水なしコントロール容易コントロール困難
脳症なし軽度時々昏睡
  • 高用量の長期使用膀胱癌発生率が高くなる可能性が示唆されてきた。
最近のデータではその可能性は否定的であるが、膀胱癌治療中の患者では使用を避ける。
  • 飲み忘れた場合は、昼までに服用する(用法は1日1回朝食前もしくは朝食後)。
次の日の服用が近くなって血中濃度が高くなることを防ぐため。

副作用

浮腫

  • 浮腫軽減のため特に高齢や女性では少量からの投薬開始が望ましい。
  • 循環血漿量の増加により心機能を悪化させる可能性があり、心不全やその既往がある場合は禁忌
循環血漿量の増加による浮腫は特に女性で多い

骨折

  • 骨折の増加が認められており女性の方が起こしやすい。
特に閉経後の高齢女性では使用の可否を慎重に検討する。
Quiz

ピオグリタゾンについて誤っているものを2つ選べ。

  1. 肥満度が高いほど効果的である。

  2. 重篤な腎機能障害には禁忌である。
  3. むくみは若年者や男性に多い。

  4. 心不全患者への投与に適する。

  5. 骨折を増加させる。

c d

  1. ◯筋肉脂肪組織で糖の取り込みを促進させ、肥満に伴う骨格筋肝臓の異所性脂肪蓄積を改善させる。肥満度、もしくはインスリン抵抗性(空腹時の血中インスリン濃度)が高いほど効果的である。
  2. ◯ 重篤な肝・腎機能障害がある場合は投与禁忌。一般的に重篤な腎障害とはCCr<30重篤な肝機能障害とはChild-Pugh分類 10-15点(点数の付け方は注意点の項参照)。
  3. ‬副作用として多く報告されるむくみ高齢者や女性で多いため、少量から投薬開始が望ましい。
  4. ✕‬ 循環血漿量の増加により心機能を悪化させる可能性があり、心不全やその既往がある場合は禁忌
  5. 骨折の増加が認められており女性の方が起こしやすい。特に閉経後の高齢女性では使用の可否を慎重に検討する。