糖尿病

【糖尿病#3】α-グルコシダーゼ阻害薬:食後高血糖を阻止!予防効果に期待!

糖尿病

血糖値の上がり下がりが激しいと血管の負担も増えてしまいます。

血糖の吸収をゆっくりにしてくれるα-グルコシダーゼ阻害薬は食後の高血糖を抑えてくれます

糖尿病の第一選択ではないけれど、どうも食事量が多く肥満体型の方へ

糖尿病薬としては唯一!予防に対する使用法もあります!

問題

α-グルコシダーゼ阻害薬について誤っているものを1つ選べ。

  1. 1型糖尿病に使用できる。
  2. 食直前に飲み忘れた場合、食事中に思い出しても服用を飲み飛ばす。
  3. α-グルコシダーゼ阻害薬服用中に低血糖になった場合は、ブドウ糖が手元になければジュースなどで対処する。
  4. 放屁の副作用は徐々に減少する。
  5. 下記の患者ではα-グルコシダーゼ阻害薬による糖尿病の発症予防目的で保険適応が認められる。
    45歳 男性。空腹時血糖値100。75g OGTT値 150。半年間食事・運動療法実施。合併症なし。BMI 22。父親が糖尿病である。

b

  1. ◯インスリン分泌には関与せず、単純に糖の吸収を緩徐にさせる作用であるため1型糖尿病にも使用できる
  2. ‪✕‬薬理作用から、食事よりも先に小腸に到達する必要があるため食直前の服用が基本だが、飲み忘れた時の対応として、食直後までなら服用させる
  3. ◯身近なものとしてブドウ糖100%リンゴジュースやオレンジジュースに多く含まれる。ただし、500mlで投与基準の10gであるため、少し多めに飲んでもらう
  4. ◯薬によって(アカルボース)は15%ほどに生じてしまう放屁の副作用だが、2w-1ヶ月程度で減少するとされているので、少し長めに続けてもらう。
  5. ◯認められる。
    1 耐糖能異常◯ 2 食事・運動療法の実施◯ 3 高血圧症‪✕‬ 4 脂質異常症‪✕‬ 5 肥満‪✕‬ 6 糖尿病家族歴◯
    α-グルコシダーゼ阻害薬1・23-6のいずれか糖尿病発症予防目的での使用が保険上認められている
  1. 耐糖能異常(空腹時血糖<126かつ75g経口ブドウ糖負荷試験の血糖2時間値が140-199)
  2. 糖尿病発症抑制の基本である食事療法・運動療法を3-6ヶ月行っても改善されない
  3. 高血圧
  4. 脂質異常症(高TG血症、低HDL-C血症など)
  5. 肥満(BMI25以上)
  6. 2親等以内の糖尿病家族歴のいずれかを有する場合

一覧

  • アカルボース(グルコバイは販売中止)←α-アミラーゼも阻害する
  • ボグリボース(ベイスン)←糖尿病の予防にも使える
  • ミグリトール(セイブル)

作用機序

・小腸内でα-グルコシダーゼの活性を阻害し、二糖類の分解を阻害して糖質の吸収を遅延させる。

アカルボースはα-アミラーゼ阻害作用も有する。
  • 食後高血糖が改善すると、インスリンの分泌が抑えられて、膵臓の負担が減る
    肥満やインスリン抵抗性の患者有効
  • HbA1cや空腹時血糖の改善効果は他の経口血糖降下薬やインスリンに比べて弱い
  • ユニークな作用機序であるため他の薬物との併用に適している
  • 1型糖尿病患者でも使用できる
  • インスリンとの併用食後高血糖が抑制される。

注意点

  • 食直前の投与が必要。
    →服薬コンプライアンスの不良に注意
  • 飲み忘れた場合は、食直後までなら服用できる
  • 低血糖時にはブドウ糖などの単糖類で対処する。
    砂糖などの二糖類は吸収が遅れるため、ブドウ糖かジュースで対処する。
100%リンゴジュースオレンジジュース2-2.5g/100mlのブドウ糖が含まれる。
ブドウ糖10g(1回分)を取るためには400-500ml必要である。

副作用

  • 腹部膨満感、放屁や下痢がしばしばみられる(4%程度(アカルボースは15%程度))。
分解されなくなった糖類が腸内で発酵し、ガスが産生されるため。
  • 腹部症状の軽減のためには少量から開始する方がよい
既に生じている場合は、一度減量し再度漸増することで改善をみる。
  • 放屁2w~1ヶ月で減少することが多い。
  • 腹部手術歴のある場合に腸閉塞を、肝硬変がある場合に高アンモニア血症などを誘発する可能性がある。
いずれにも慎重投与。

α-グルコシダーゼ阻害薬の糖尿病発症予防目的の使用

  1. 耐糖能異常(空腹時血糖<126かつ75g経口ブドウ糖負荷試験の血糖2時間値が140-199)
  2. 糖尿病発症抑制の基本である食事療法・運動療法を3-6ヶ月行っても改善されない
  3. 高血圧
  4. 脂質異常症(高TG血症、低HDL-C血症など)
  5. 肥満(BMI25以上)
  6. 2親等以内の糖尿病家族歴のいずれかを有する場合

    1・23-6のいずれか=糖尿病発症予防目的での使用が保険上認められている。

※1に関しては空腹時血糖が126<であったり、75g OGTT2h値が200<であると糖尿病の診断基準となってしまうため、診断基準には達しないが予防が必要であると考えられる値に設定されている。

使い分け

アカルボース(グルコバイ(販売中止))
  • α-グルコシダーゼのみならず、唾液と膵液中のα-アミラーゼ阻害作用も有する
  • 腹部膨満放屁の副作用が他の薬に比べて多い(15%程度)。
α-アミラーゼ阻害作用もあるため。
ボグリボース(ベイスン)
  • 添付文書上でも糖尿病の発症予防目的の使用が適応として認められている。

問題

問題

α-グルコシダーゼ阻害薬について誤っているものを1つ選べ。

  1. 1型糖尿病に使用できる。
  2. 食直前に飲み忘れた場合、食事中に思い出しても服用を飲み飛ばす。
  3. α-グルコシダーゼ阻害薬服用中に低血糖になった場合は、ブドウ糖が手元になければジュースなどで対処する。
  4. 放屁の副作用は徐々に減少する。
  5. 下記の患者ではα-グルコシダーゼ阻害薬による糖尿病の発症予防目的で保険適応が認められる。
    45歳 男性。空腹時血糖値100。75g OGTT値 150。半年間食事・運動療法実施。合併症なし。BMI 22。父親が糖尿病である。

b

  1. ◯インスリン分泌には関与せず、単純に糖の吸収を緩徐にさせる作用であるため1型糖尿病にも使用できる
  2. ‪✕‬薬理作用から、食事よりも先に小腸に到達する必要があるため食直前の服用が基本だが、飲み忘れた時の対応として、食直後までなら服用させる
  3. ◯身近なものとしてブドウ糖100%リンゴジュースやオレンジジュースに多く含まれる。ただし、500mlで投与基準の10gであるため、少し多めに飲んでもらう
  4. ◯薬によって(アカルボース)は15%ほどに生じてしまう放屁の副作用だが、2w-1ヶ月程度で減少するとされているので、少し長めに続けてもらう。
  5. ◯認められる。
    1 耐糖能異常◯ 2 食事・運動療法の実施◯ 3 高血圧症‪✕‬ 4 脂質異常症‪✕‬ 5 肥満‪✕‬ 6 糖尿病家族歴◯
    α-グルコシダーゼ阻害薬1・23-6のいずれか糖尿病発症予防目的での使用が保険上認められている
  1. 耐糖能異常(空腹時血糖<126かつ75g経口ブドウ糖負荷試験の血糖2時間値が140-199)
  2. 糖尿病発症抑制の基本である食事療法・運動療法を3-6ヶ月行っても改善されない
  3. 高血圧
  4. 脂質異常症(高TG血症、低HDL-C血症など)
  5. 肥満(BMI25以上)
  6. 2親等以内の糖尿病家族歴のいずれかを有する場合